Smiley face
写真・図版
観光客でごった返す清水寺周辺=2024年5月16日午後4時42分、京都市東山区、日比野容子撮影

 ホテルや旅館などの宿泊者から宿泊税を徴収する動きが広がっている。観光振興のためだが、宿泊者の減少を懸念する声も根強い。課税を巡り、都道府県と市町村が対立する地域も出ている。

 「コロナを経て今、国内外の多くの方々が北海道に来ている。宿泊税をいただき、さらに魅力的な観光立国・北海道をつくり、さらに多くの方に来てもらう好循環をつくる」

 東京、大阪に次いで宿泊客の延べ数が全国3位の北海道。鈴木直道知事は2024年11月、記者会見で、宿泊税を導入する意義をこう説明した。

 26年度から導入し、宿泊料金に応じて100~500円を徴収する。年間45億円の税収を、観光の高付加価値化や観光インフラを充実・強化する費用などに充てる。

 中部空港がある愛知県常滑市は1月6日から、200円を徴収している。再び増えた訪日外国人客(インバウンド)らの満足度を上げるには自主財源では賄いきれないと判断。年間2億円の税収を財源に、シャトルバス運行やツアーガイドの育成などに取り組む。

 先行して導入済みの自治体が、税額を引き上げる動きも相次ぐ。

 高価格帯の宿泊施設の開業が続く京都市は1月中旬、価格帯に応じて200~1千円だった宿泊税の最高額を、宿泊料金が10万円以上の場合は1万円に引き上げる方針を発表した。現状の10倍となり、施行されれば全国で最高額となる。26年からの実施を目指す。

オーバーツーリズムの激化、背景に

 背景には、市内でのオーバー…

共有